現在60歳前後の方々の中には、アメリカの大人気テレビドラマ「Sex and the City」に夢中になった方が多いのではないでしょうか。

あの時代を彩ったファッション、友情、恋愛の物語が、数十年を経て続編「And Just Like That」として数年前から配信されています。

私も期待に胸を膨らませながら視聴していましたが、開始早々、主人公キャリーの夫、ビッグことジョンが、

突然心臓発作で亡くなるというまさかの衝撃的な展開が訪れます。

愛する夫を失ったキャリーが、悲しみに暮れながらも彼を見送るシーンは、彼女らしい繊細なセンスが随所に光る、非常に印象的なものでした。

特に目を引いたのは、キャリーのブラックファッション。

日本の感覚で見ると、どこかパーティーに出かけるような印象を受けるかもしれませんが、そのスタイルは見事にシックで洗練されています。

キャリーが身に着けたのは、胸元の空いた黒のトップスと、クラシックな一連のパールのネックレス。

そして、ボリューム感のあるチュールが美しく広がるサキュラースカートが、彼女の動きを優雅に引き立てます。

足元は彼女のトレードマークとも言えるハイヒール。

そして、髪は横にずらした夜会巻きにまとめ、そこにお皿のようなトーク帽を軽やかに載せています。

このすべてのアイテムが見事に調和し、忘れられないスタイルを完成させていました。

もちろん、日本でこのままのスタイルをそのまま再現すると、場合によっては目立ちすぎるかもしれませんが、

キャリーのように「自分らしさ」を大切にしながら、大切な人を見送る場面に臨むという姿勢には大いに共感させられます。

悲しみの中でも、自分らしい美しいスタイルを貫き、故人への敬意を込めて送ること。

それは大人の女性として、日頃から準備を怠らず、どんな時にも慌てることなく自身を表現できるための心得かもしれません。

悲しみは、予期せぬ時に訪れます。

その時こそ、納得のいくスタイルで故人に想いを馳せながら、冷静に、

自分らしさを失わず、堂々と振る舞いたいものです。

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